洗浄消毒減菌について

洗浄消毒減菌について

洗浄とは

 洗浄とは、有機物や無機物等の汚染物を対象物から除去することをいう。通常、洗浄剤または酵素系洗浄剤の化学的作用と、用手(ブラッシング)や機械(超音波洗浄装置やウォッシャーディスインフェクター(以下WD))の物理的作用を併用した方法で行われる。

 洗浄剤は、一般的には水素イオン濃度(pH)により「酸性洗浄剤」「中性洗浄剤」「アルカリ性洗浄剤」に分類され、それぞれの特徴や用途を理解して適切に使用する必要がある。水素イオン濃度(pH)とは、水溶液中に含まれる水素イオンの量(濃度)を表し、酸性やアルカリ性の度合い(強さ)を示す。一般的に、この度合いはpHという記号を使って、0~14の範囲内で表される。pH7を中性とし、7よりも値が小さいほど酸性が強く、値が大きいほどアルカリ性が強くなる。

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洗浄剤

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洗浄剤評価

目視法、直接判定法、間接判定法を組み合わせて実施し、結果を保管する。

・目視法
洗浄後の器材に付着している残留物を目視で確認する方法で、拡大鏡を使用することが望ましい。目視法は数値化できず、器材の重なりや内腔などが判定できない場所もあるが、いつでも判定が可能である。

・直接判定法
洗浄後の器材に付着している残留蛋白質量を評価する方法で、実際に使用した器材の評価が可能である。

・間接判定法
WDが正常に稼働したかどうかを確認するための方法で、洗浄インジケータを器材と一緒に洗浄し、洗浄後のインジケータに残留している。汚染物の状態を判定する。

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消毒とは

 消毒とは「生存する微生物の数を減らすために用いられている処置法で、必ずしも微生物を殺滅したり除去するものではない。」とされている。一般的に、消毒法は消毒薬を用いた化学的消毒と、湿熱を用いる物理的消毒法に分けられ、消毒法は消毒の対象により生体消毒と非生体消毒に区別できる。

 消毒薬が微生物を殺滅する機序および効果は、使用する消毒薬の種類、作用温度、作用時間、消毒対象物の汚染度、微生物の種類や状態(例えば、栄養型細菌および細菌芽胞)等によって異なるため、それぞれの消毒薬の特性を十分理解した上で、使用目的や消毒対象物に応じて十分効果が期待できるものを選択し、適切に使用する必要がある。

物理的消毒(熱水消毒)

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消毒方法

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消毒水準分類

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減菌とは

 無菌とは、すべての微生物が存在しないことであり、減菌とは無菌性を達成するための行為、すなわちすべての微生物を殺滅または除去する行為である。減菌はあらかじめ無菌を保証するレベルを無菌性保証水準SAL(Sterility Assurance Level)で設定されており、このレベルに達した状態が「無菌」と定義される。

 減菌法の中で、最も汎用されているのが高圧蒸気減菌法(オートグレーブ)である。運転コストが比較的安く、残留毒性の心配がない、滅菌効果が高いことから、高温・高湿に耐えられる器材に対しては高圧蒸気減菌が第一選択肢となる。高圧蒸気減菌の条件に耐えられない器材に対しては低温減菌法が行われる。低温減菌法の中でも酸化エチレンガス(ethylene oxide gas:以下EOG)減菌は高圧蒸気減菌と並んで多用されてきたが、EOGの毒性の問題から、2000年頃より過酸化水素低温ガスプラズマ減菌が普及してきた。また近年では過酸化水素ガス低温滅菌や低温蒸気ホルムアルデヒド(Low temperature steam and formaldehyde sterilizers:以下LTSF減菌)等の新しい減菌法も登場している。

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